星野 実

クレマチスとは不思議なもの

クレマチスと50年余りの付き合いをするようになったのは、ある偶然の出会いからでした。それは、私が20代初めの頃、母が購読していたNHK趣味の園芸のテキストの1冊(昭和50年刊)を何気なく開き、その中の「新しい花を求めて・育種者登場」という連載記事を目にした時のことです。そこには、大輪種「伊勢原」の作出者・西部由太郎さんが、クレマチスの育種について、交配から選別の基準まで事細かく詳しく解説されていました。

交配によって多様な形状や色彩の新たなクレマチスが生まれてくることが、写真入りで紹介されており、その作出された色彩豊かなクレマチスを見て、当時の私にとっては大変強い印象を受けたことを、今でも覚えています。

このことがきっかけとなり、自分好みのクレマチスを作りたいという欲求に駆られ、クレマチス栽培を始めるようになりました。そんな訳で、私とクレマチスとの付き合いは、育種を楽しむというところから始まって、今日に至っています。

これまでの長い年月の間に、クレマチス以外の植物に興味を持ち、道くさもしてきましたが、やはりクレマチスからは何故か離れられずにいます。不思議なものです。それがクレマチスの魅力に因るものなのかもしれませんね。

クレマチスの交配・育種は手間と時間を必要とするものですが、結果が楽しみで感動もありますので、是非多くの方に楽しんで頂きたいと思っています。

(因みに私の「星のフラメンコ」「星のタンゴ」は、Texensis group Clematis ‘Gravetye Beauty’ グレーヴタイ・ビューティー × Clematis patens ‘Manshuu Ki’ 満州黄から生まれた姉妹で、他にも白や赤紫などの色の姉妹も同時に生まれています。)

 

記:星野 実